小規模事業者持続化補助金 IT導入補助金 事業再構築補助金 コラム一覧 会社概要

コラム一覧

COLUMN

IT導入補助金の申請書の書き方について徹底解説

「IT導入補助金を申請したいけど、どこから手続きを始めればいいのか分からない」という方も多いかもしれません。実は、申請書の作成自体は難しくありません。本記事では、IT導入補助金の申請書の作成手順と書き方のポイントを解説します。具体的な手順を追いながら、フリー入力欄を活用してアピールする方法もご紹介します。申請書の作成に不安がある方も、この記事を参考にスムーズに手続きを進めていただけるようになるはずです。

IT導入補助金の申請書の事前準備

IT導入補助金の申請書をスムーズに書き進めるためには、申請書作成前に以下の3つの準備が必要です。

  • 必要書類の準備:申請に必要な書類を事前に揃えておくことが重要です。例えば、設立登記簿謄本や事業計画書など、申請機関が指定する書類を収集しておきましょう。
  • gBizIDプライムアカウントの取得:IT導入補助金の申請には、gBizIDプライムアカウントの取得が必要です。このアカウントを取得するためには、事前に必要な情報を準備しておく必要があります。
  • SECURITY ACTIONの自己宣言の実行:IT導入補助金の申請には、SECURITY ACTIONという情報セキュリティ対策に関する自己宣言が必要です。自己宣言をするためには、SECURITY ACTIONの公式サイトにアクセスし、手順に従って宣言を行う必要があります。

必要書類の準備

IT導入補助金の申請には、必要書類の添付が必要です。申請者が法人である場合と個人事業主である場合で、必要書類が異なりますので、以下のリストを参考に、正確に必要な書類を用意してください。

事業者の種類必要書類
法人・実在証明書:履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)
・事業継続確認書類:税務署の窓口で発行された令和元年~令和 2 年中に納税された法人税の直近の納税証明書
個人事業主・本人確認書類:(有効期限内の)運転免許証・運転経歴証明書・住民票(発行から3か月以内)のいずれか
・事業継続確認書類1:税務署の窓口で発行された令和元年分の所得税の納税証明書
・事業継続確認書類2:税務署が受領した直近分の確定申告書 B の控え

上記の必要書類が揃わない場合は申請の対象となりません。それぞれの書類について詳しい情報はIT導入補助金の公式サイトのこちらのページからご確認ください。

必要書類の記入方法

必要書類の具体的な記入方法についてもIT導入補助金の公式サイトのこちらのページから確認できます。上記のような画像付きで詳しい内容が記載されているので、申請の際は参考になさってください。参考にすることで、必要書類の記入漏れや不備が起こりにくくなります。

gBizIDプライムアカウント取得

IT導入補助金の申請は、電子申請となりますので、gBizIDプライムアカウントを取得することが必要です。なお、プライムアカウントの取得には、必要書類の提出が必要であり、申請後2週間程度の時間を要します。IT導入補助金の申請をスムーズに進めるためにも、早めにプライムアカウントの取得を行っておくことが大切です。

SECURITY ACTIONの自己宣言

IT導入補助金の申請には、SECURITY ACTIONの自己宣言IDの入力が必要です。SECURITY ACTIONは、中小企業や小規模事業者が情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する手続きであり、ウェブサイト上で簡単に実行できます。申請者は、SECURITY ACTIONの自己宣言を実行し、その宣言IDを申請書に記入する必要があります。

IT導入補助金の申請書の作成手順

IT導入補助金の申請書の作成手順をご説明いたします。IT導入補助金は、支援事業者と共同で申請書を作成することが必要となります。以下は、補助金申請者が関わる手続きについての説明です。

1. I招待メールのURLからマイページを開設

IT導入補助金の申請手続きは、支援事業者からの招待メールを受け取ることから始まります。招待メールに記載されたURLから申請マイページにアクセスし、事前に取得していたgBizIDアカウントでログインしてください。

2. 基本情報を入力

画面上の指示に従い、会社の基本情報を入力していきます。会社名や所在地、業種、資本金、従業員数など、各項目の指示に従って入力してください。

3. 業種コードを入力

業種コードは、日本産業分類の細分類コードを入力してください。コードが不明な場合は、ウェブサイト「e-Stat(政府統計の総合窓口)」で検索できます。

4. SECURITY ACTIONの自己宣言IDを入力

次に、事前に取得しているSECURITY ACTIONの自己宣言IDを入力します。これは申請の必須項目ですので、事前にSECURITY ACTIONの手続きを済ませておきましょう。SECURITY ACTIONには「一つ星」と「二つ星」がありますが、IT導入補助金の申請においてはどちらでも構いません。

5. 事業内容の確認

続いて、申請者の事業内容を確認する画面に移行するので、表示されている業種の中から、該当する業種に全てチェックを入れましょう。自社の事業がどの業種に該当するか不明な場合は、先述したe-Statを参照してください。

6. 財務情報の入力

次画面では、申請者の財務情報を入力します。従業員数や資本金、売上高など、項目に従って入力していきましょう。

IT導入補助金の公式サイトのこちらのページで、交付申請情報入力の手引きが公開されています。詳細な情報が記載されているので、手順に従うとスムーズに申請手続きを行えます。

7. 経営状況の確認

次に、経営状況に関する質問に回答します。基本的には、チェックボックスに該当する項目を選択していくだけなので、難しいということはありません。ただし、回答欄には自由記述欄もありますので、そこを活用して自社のアピールポイントを強調することが重要です。採択される可能性を高めるため、アピールポイントをしっかりと伝えましょう。

8. 必要書類の添付

必要書類は申請に必要な書類が指定されているため、指定された書類が用意できているか確認しましょう。また、画像が不明瞭になっていないかも確認し、必要書類の全てのページが印刷されているかも確認しましょう。

9. 申請類型を選択

導入するITツールに合わせて、適切な類型を選択しましょう。申請書の作成は、ここまでの入力が完了した後にIT支援事業者に引き継がれます。

10. IT支援事業による入力・整合性の確認

特に重要な項目が労働生産性の伸び率です。申請要件として、ツールの導入によって1年後に3%、3年後に9%の伸び率をクリアしなければなりません。申請者は相手の入力を待つだけではなく、支援事業者と相談しながらその内容の整合性を確認することが大切です。売上や原価率、労働時間の推移など、実態に則して現実的かつクリア可能な数値になっているかをチェックしましょう。支援事業者側での入力が完了した後、再び申請者が作成を引き継ぎ残りの項目を入力していきます。

11. 申請要件を確認し全てにチェック

申請要件を確認する際には、全ての項目に対して確実にチェックを入れましょう。1つでも漏れがあると申請が不完全となってしまいます。注意深く確認して、漏れがないようにしましょう。

12. 賃金に関する情報と4年分の賃金計画を入力

現在の賃金状況と今後4年間の賃金計画を画面の指示に従って入力します。入力する際には、以下の2点に注意が必要です。

まず、事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金に対して30円以上に設定されていることを確認してください。また、年平均成長率が毎年1.5%以上となるように計画を組んでください。

IT導入補助金は、ITツールの導入による生産性の向上と、それによる従業員の賃金上昇を目的としているため、要件を満たす賃金計画が策定されていない場合は申請が通りません。

13. 内容の最終確認・提出

最後に、ここまで入力した内容を最終確認し、問題がなければ申請書を提出します。申請書の内容は採択の結果を左右するため、入念にチェックすることが重要です。もし問題があれば、支援事業者に訂正依頼をすることができます。また、申請書の内容が正確かつ魅力的になっているかをチェックすることをおすすめします。

IT導入補助金申請書の書き方のポイント

IT導入補助金の申請入力において、フリー入力欄を上手に活用することが重要です。申請書の多くの箇所はチェックボックスや数字の入力欄であり、アピールできる項目は限られます。フリー欄を十分に利用しない、または簡単な文言で済ませてしまうことは、自らの採択の可能性を低下させることになります。しっかりとアピールするためにも、フリー欄には工夫を凝らして書き込むことが大切です。

事業内容を具体的に記入する

申請書の基本情報入力において、重要なのは「事業内容」です。この項目は255文字までのフリー入力欄であり、自社の強み、現在の経営課題、必要なITツール、導入による効果などを具体的にまとめることが大切です。具体的には以下の順番で文章を構成し、簡潔にまとめます。

  • 自社の強みとして、どのような事業を展開しているのか
  • 現在、どのような経営課題を抱えているのか
  • 課題解決のために必要なITツールについて、具体的にどのようなものが必要か
  • ITツールを導入した場合、どのような効果が期待できるか

これらの内容を具体的かつ簡潔にまとめ、255文字以内に収めるように心掛けましょう。

各項目のフリー欄でより具体的に記述

経営状況の確認欄には、事業内容とリンクさせて具体的に記述することが重要です。例えば、自社の強みについては、導入するITツールとの関係性を明確にして、「当社は○○という強みを持っており、この強みを生かした業務効率化を目指し、ITツールを導入することで更なる競争力を獲得したいと考えています。」のように記述することができます。

また、自社の弱みについては、「現在は△△の課題を抱えており、この課題を解決するためにITツールの導入が必要です。具体的には、〇〇機能を備えたツールを導入することで課題の解決が期待できます。」というように具体的な内容を記述することが重要です。

さらに、補助金で期待する効果については、事業内容や強み、弱みとの関連性を明確にし、「補助金を活用することで、ITツールの導入によって生産性の向上が期待できます。具体的には、□□の作業を自動化することができ、従業員の業務負荷を軽減し、更なる業務効率化が実現できます。」といったように、効果が具体的に表現されるように記述しましょう。

IT導入補助金について学ぶための参考書籍

IT導入補助金について学ぶための書籍や情報源は多数あります。以下に、特にオススメの書籍を紹介します。

IT導入補助金に関する入門書籍

初めてIT導入補助金について学ぶ人には、以下のような入門書籍がオススメです。

  • 「中小企業のためのIT導入補助金活用ガイドブック」(池田慶、大和書房)
  • 「中小企業・小規模事業者のためのIT導入補助金活用ガイド」(株式会社パソナテック)
  • 「IT導入補助金完全ガイドブック」(森田広明、日本実業出版社)

これらの書籍は、IT導入補助金の基本的な情報から、申請の流れや具体的な事例まで詳しく解説されています。

申請書の書き方に特化した書籍

申請書の書き方に特化した書籍もあります。具体的には、以下のような書籍がオススメです。

  • 「IT導入補助金の申請書を書く技術」(石川直樹、サイエンス社)
  • 「IT導入補助金申請書の書き方」(田中美香、自由国民社)

これらの書籍では、申請書を書く際のポイントや注意点、具体的な書き方などが解説されています。

まとめ

今回は、IT導入補助金の申請書の作成手順と書き方のポイントを解説しました。基本的にはIT導入補助金の申請書の作成は設問に従って解答していくだけであり、難しいものではありません。しかし、フリー入力欄を上手く活用し、具体的かつ魅力的なアピールを行うことで採択率を上げることができます。本記事を参考にIT導入補助金申請の際は申請書の書き方を参考にしてください。

トップへ