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小規模事業者持続化補助金を活用して広告運用するアイデアを紹介
目次
中小企業や個人事業主が経営に打撃を受ける中、政府が行っている「小規模事業者持続化補助金」は、多くの企業にとって大きな助けとなっています。特に、広告宣伝費用に活用することで、新たな顧客を獲得することができ、事業拡大につながります。しかし、補助金を受け取ったからと言って、自動的に顧客が増えるわけではありません。広告の種類やターゲット層に合わせた作成、効果的な配信チャネルの選択など、様々なポイントがあります。本記事では、小規模事業者持続化補助金の対象となる広告についてや、広告制作のポイントや注意点などを紹介し、より効果的な広告宣伝を行うためのアイデアを提供します。
小規模事業者持続化補助金とは
「小規模事業者持続化補助金」の概要
「小規模事業者持続化補助金」とは、経済産業省が実施する支援策の一つで、小規模事業者が販路拡大や業務効率化のために補助金を受け取ることができる制度です。
「広告」に関する補助金の内容
小規模事業者持続化補助金は広告作成に対しても対象となります。補助経費区分は「広報費」で、具体的には、パンフレット・ポスター・チラシ等の作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費が対象となります。
補助率や上限額
小規模事業者持続化補助金の補助上限額と補助率は、申請する枠によって異なります。それぞれの補助上限額と補助率は下の図をご確認ください。
通常枠 | 特別枠 | |||||
賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | インボイス枠 | ||
補助上限額 | 50万円 | 200万円 | 100万円 | |||
インボイス特例 | 50 万円※※インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助上限額に 50 万円を上乗せ | |||||
補助率 | 2/3 | 2/3赤字事業者は 3/4 | 2/3 |
小規模事業者持続化補助金を利用するメリットとデメリット
メリット
補助金を受け取ることで、広告費用を抑えることができ、販促効果を高めることができます。また、新型コロナウイルスの影響により、売上が減少した場合には、経費削減のために広告費用を削減してしまうことが多くなりますが、補助金を受け取ることで広告費用を削減せずに事業の回復を図ることができます。
デメリット
補助金を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。たとえば、広告を出すタイミングや種類に制限があったり、申請期間が限られている場合があります。また、補助金を受け取る際には、報告書の提出など一定の手続きが必要となります。これらの手続きを行わない場合、補助金を受け取ることができないだけでなく、返還を求められる場合があります。
小規模事業者持続化補助金と広告について
対象となる広告の種類
小規模事業者持続化補助金の対象となる広告は、パンフレット・ポスター・チラシ等の作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費が対象となります。ただし、一部制限があります。
条件や制限事項
補助対象となる広告は、補助事業計画に基づく商品・サービスの広報を目的としたものであり、単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は、補助対象となりません。
その他にも下記の場合は補助の対象になりません。
- 試供品(販売用商品と同じものを試供品として用いる場合)
- 販促品(商品・サービスの宣伝広告の掲載がない場合)
- 名刺
- 商品・サービスの宣伝広告を目的としない看板・会社案内パンフレットの作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外)
- 金券・商品券
- チラシ等配布物のうち未配布・未使用分
- 補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布
- フランチャイズ本部の作製する広告物の購入
- 商品販売のための動画作成
- 販路開拓に必要なシステム開発
広報費に区分されない広告
ホームページ制作も小規模事業者持続化補助金の補助対象事業となりますが、経費区分が「広報費」ではなく、「ウェブサイト関連費」に分類されます。
リスティングなどのウェブ広告や動画に関する広報費用については、ウェブサイト関連費となりますので、小規模事業者持続化補助金で広告費の活用を検討している場合、広告の種類によって申請する補助対象経費区分が異なることに注意しましょう。
ウェブサイト関連費の補助率は1/4
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の1/4までしか補助されません。
例えば、補助金額が50万円なら、ウェブサイト関連費は最大12.5万円です。残りの37.5万円は、広報費や機械装置等費などの他の経費に割り当てる必要があります。
また、ウェブサイト関連費だけで補助金を申請することはできません。ウェブサイト関連費を使う場合は、他の経費と一緒に申請しましょう。
補助金の申請方法
小規模事業者持続化補助金の申請方法は、下記の通りです。
- 小規模事業者持続化補助金の公式サイトより必要な書類をダウンロードして内容を記入する。※申請枠によって、必要書類が異なる。
- 期日までに地域の商工会議所に行って申請書類を確認してもらい、「様式4」の書類を発行してもらう。
- ウェブまたは郵送で申請をする。
補助金の申請に際しては、必要な書類を正確に用意することが重要です。また、広告実施にあたっては、交付決定後約6か月以内に実施しなければならないため、実施時期についても注意が必要です。さらに、補助事業実施後には、報告書を提出する必要があるため、期日に遅れないように注意することも重要です。
補助金交付決定までの流れ
小規模事業者持続化補助金の申請後、補助金の採択決定までには約2か月程度の期間がかかることが一般的です。申請書類の審査が完了した後、交付決定が行われます。交付決定書が送付されるまで、申請者は連絡があるまで待つ必要があります。
時間的な注意点
申請者は、申請書類を提出した後、交付決定までの期間に十分な余裕を持って計画を立てる必要があります。また採択された場合は、期限までに広告を実施し、支払いを済ませる必要があります。これは、「補助対象経費として認められるのは、補助事業期間内に成果物ができて、経費の支払いが完了しているもの」という決まりがあるからです。
そのため、納期が遅れてしまって補助事業実施期間を過ぎてしまった場合、経費を支払っても補助対象にはなりません。
また、補助事業期間より前に発注した広告も対象外です。 依頼先と発注日や納期、支払い日をしっかり確認し、補助事業期間内に完了するようにしましょう。
事業実施後の報告書
補助金の交付決定後、広告を実施した場合には、実績報告書等を提出する必要があります。提出期限は、補助事業が完了した日から起算して30日を経過した日または「補助事業実績報告書提出期限」のいずれか早い日までです。提出する書類には、実施事業内容および経費内容のまとめなどがあります。提出する書類については、小規模事業者持続化補助金のウェブサイト等で確認することができます。
提出する書類に不備がある場合には、再提出を求められることがあります。不備の内容によっては、補助金の交付が遅れることがあるため、書類の内容には十分な注意が必要です。
補助金の返還
補助金を不正に受け取った場合や、実績報告書等の提出が遅れた場合、事業内容が変更または実施されなかった場合には、補助金の返還が求められることがあります。また、補助金を不正に使用した場合にも返還が求められます。具体的には、補助金を広告以外の用途に使用した場合や、補助金を不正に受け取った場合などが挙げられます。
補助金の請求方法や手続き
実績報告書が確認されたら補助金の交付手続きが行われます。所定の書類に補助金の振込先を記載して、口座情報などの添付資料と一緒に提出し、補助金の支払いを請求します。期限までに手続きを行うようにしましょう。
小規模事業者持続化補助金で広告を活用するためのアイデアと事例
広告の種類と効果的な使い方
広告の種類と特徴
広告には、新聞広告やテレビCM、インターネット広告、ポスター、チラシなど様々な種類があります。それぞれの広告には、ターゲットとなる視聴者層や伝えたいメッセージに合わせた特徴があります。例えば、新聞広告は地域性が高く、広い年齢層にアピールすることができます。テレビCMは広範囲に効果を発揮し、イメージアップや認知度アップに効果があります。インターネット広告は、ターゲット層の絞り込みがしやすく、コスト効率が高いというメリットがあります。広告の種類を選ぶ際には、自社の目的やターゲット層に合わせて選ぶことが大切です。
広告効果を上げる方法
広告効果を上げるためには、以下のポイントが挙げられます。
- 広告の目的を明確にする
- ターゲット層に合わせた広告を作成する
- メッセージが伝わりやすいデザインを作成する
- コンテンツの質を高める
- 広告の掲載タイミングや頻度を考慮する
広告制作のポイントと注意点
広告制作の流れとポイント
広告制作の流れとしては、まずは広告の目的やターゲット層を明確にし、メッセージやデザインのコンセプトを決定します。次に、コンテンツの制作や撮影、デザイン制作を行います。広告の掲載先を選定し、掲載タイミングや頻度を決定します。広告を掲載後には、広告効果の分析を行い、改善点を洗い出すことが重要です。
補助金を活用する上での注意点
補助金を活用するにあたっては、以下の点に注意する必要があります。
- 補助金の申請に必要な書類の確認と提出期限に注意する
- 広告実施期間に関する規定を確認する
- 広告制作や配信にかかるコストやスケジュールを事前に把握する
- 広告効果の分析を適切に行い、改善点を把握する
補助金を活用した広告は、新規顧客の獲得や既存顧客の回収、ブランドイメージ向上など、様々な目的を達成することができます。ただし、広告制作や配信には多くのコストや時間がかかるため、事前に計画をしっかりと立て、効果的な広告を制作することが大切です。
まとめ
小規模事業者持続化補助金を活用して広告を出稿することで、販路開拓や認知度拡大を図ることができます。本記事では、補助金を活用する際に必要な書類や手続き、注意点について紹介しました。
また、広告については、広告の種類や効果的な使い方についても解説しました。広告を効果的に活用するためには、目的を明確にし、ターゲット層に合わせた広告を作成し、メッセージが伝わりやすいデザインを作成することが大切です。
小規模事業者持続化補助金を活用して広告を出稿することで、新規顧客獲得や既存顧客の再来店促進など、事業の拡大につながることが期待されます。補助金を活用する際には、手続きや注意点を把握し、効果的に活用していきましょう。